みんなの就職活動 時事用語「年金制度」の解説

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時事用語の解説です。

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【年金制度の改革】

2000年3月、年金改革法が成立。給付水準の低下を初めて盛り込んだ改正となった。

年金保険とは、現役世代の国民に強制的に保険料を支払わせ、本人が高齢者や障害者となり働けなくなったときに、一定の所得保障を行う社会保障制度である。
かたちとしては、自分が収めた保険料を老後に年金として受け取るのだが、現在の日本ではその時々の現役世代が収める保険料は、高齢者の年金の支払いに充てられている(世代間扶養)。
当然、高齢化社会が進むと、現役世代の負担は重くなるわけである。

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今回の改正の特徴は、給付水準を下げたことである。
現役世代の負担増を抑制することがねらいである。
なにしろ、このままでは2025年の厚生年金の保険料は、月収の35%にもなってしまうのである。
なんとか年収の2割程度に抑制したいというのが改正の基本的考え方である。

ところで、日本の公的年金制度には、すべての国民が加入する国民年金と、さらにそのうえで被用者(雇用されている者)が加入する厚生年金と共済組合がある。
そして、国民年金が全国民に共通の基礎年金を支給し、被用者年金はそれに加えて報酬比例の年金を支給する仕組みとなっている。

いわゆる「2階建て方式」である。今回引き下げられたのは、厚生年金の2階部分である。給付水準が5%も引き下がられた。ただし、対象は新たな受給者だけで、すでに受給している人は経過措置として従来の支給額が保証される。

厚生年金では、報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられることも決まった。
現在の60歳からの支給が、65歳からとなるのである。
男性は2013年度から2025年度にかけて、女性はその5年遅れで、3年ごとに1歳ずつ引き上げていく予定となっている。

また、これまで年金額は、物価の上昇や賃金の上昇に沿って調整されてきたが、今後は原則として物価上昇率だけで改定されることになった。
労働者の賃金が上がっても、年金額は据え置きである。

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今回の改正では、65歳以上70歳未満の被用者にも保険料の支払を要求。
併せて、この年齢の人たちには、在職老齢年金制度を適用する。
年金額と賃金の合計額が一定以上の者について、年金の支給を制限する制度である。

反面、低所得者に対する国民年金保険料の半額免除を制度化した。
学生の国民年金の保険料についても、本人の所得が一定以下の場合、申請があれば保険料の納付を免除する。
さらに、育児休業中の厚生年金についても、事業主負担分が免除となった。

今回の改正では、任意の上積み年金である年金基金(国民年金基金や、厚生年金基金などの企業年金)の資産運用規制も緩和した。
債券だけでなく、株式を投資対象にした投資信託などでも運用できるようにした。

なお、基礎年金の財政方式については、検討の必要性を指摘。
2004年までに国債の負担割合を現在の3分の1から2分の1へと引き上げる意図を明確化。

【確定給付型企業年金】

老後の生活にとって公的年金は所得保障の基本。
とはいっても、生活のすべてを公的年金だけで賄うのは、実際には大変。
そのために用意されたのが「上乗せ年金」制度。希望に応じて加入する点が、いわゆる公的年金制度とは異なる。

従来から存在する上乗せ年金は、国民年金基金と、厚生年金基金や適格退職年金といった企業年金。
ところが、近年の厳しい経済環境の中、このうちの企業年金の存続が危ぶまれるようになった。
事実、厚生年金基金の解散や適格退職年金の解約が増加し、将来の給付に必要な年金原資を十分積み立てていない状態で企業が倒産してしまう事例も出てきた。

そこで2001年6月、確定給付企業年金法が成立(2002年4月施行)。
企業年金の受給権を保護するため、積立義務、受託者の責任の明確化、情報開示の基準を定めた。

新たに整備された確定給付型の企業年金は、規約型と基金型の2つ。
規約型では労使合意の年金規約に基づき、また基金型では事業主とは別法人の基金を設立して、それぞれ年金を積み立てる。

これにより、適格退職年金は10年以内にこの新企業年金に移行。
もちろん、厚生年金基金の新企業年金への移行も促進していく。

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【確定拠出型年金】

上乗せ年金が確定給付型の年金だけだと、約束された給付額の維持のために保険料が上がることも想定される。
また、雇用の流動化が高まっているのに、職場を変わるときの積立金の移動は困難である。

そこで2001年6月、確定拠出年金法が成立(2001年10月施行)。
決められた拠出額を加入者本人が自己責任で運用し、その運用結果に応じて年金を受け取る確定拠出型年金が導入された。

年金資産の残高を自己管理するため、これまでは企業年金が普及していなかった中小零細企業などでも採用しやすく、転職先に移換するのも容易である。
また、自営業者にとっても、公的年金に上乗せできる年金の選択肢が増えることになる。

加入できるのは、公務員と専業主婦を除く20歳以上60歳未満の者。
企業の従業員は「企業型」に、自営業者や企業支援のない従業員は「個人型」に加入する。

加入者への運用商品の提示は運営管理機関が行う。
その際、3つ以上の商品の提示が必要。元本保証のものから、株式を組み入れたリスクのあるものまで、いろいろと示されるはずである。

給付金(老齢給付金)は、拠出から10年たっていれば、60歳から受給できる。
年金にしないで、一時金で受け取ることも可能である。