みんなの就職活動 国家資格である司法書士 職務の内容

みんなの就職活動

みんなの就職活動 国家資格である司法書士 職務の内容


みんなの就職活動 国家資格である司法書士 職務の内容


◆裁判所への申立て

 たとえば、金銭の貸借で貸主が返還を求めて訴訟を起こしたり、大屋が店子に対して家屋の明渡請求の訴訟をする場合、日本の法律制度では、弁護士を代理人とせず、直接本人が行う事も出来ます。
しかし、裁判所へ提出する訴訟状の作成は、法律実務を知らない人にとっては、複雑で難しく手に余ります。
 この訴状等の裁判所へ提出する書類も司法書士が作成できるのです。
司法書士の業界では、これを「訟務」と呼んでいます。

◆供託の申請

たとえば、家主が一方的に家賃の値上げを求めてきた場合、などでも、納得がいかないから一銭も支払わないというわけにはいきません。
少なくとも従来の家賃を払わなければ、債務不履行で賃貸借契約を解除されてしまします。
ところが、家主は、「従来の家賃では受け取らない」と断言しているケースがあります。
この供託の申請の代理も、司法書士は引き受けることができるのです。

◆法務局への申立て

 登記や供託を却下された場合には、法務局に対して異議申立て(審査請求)ができます。
この審査請求も、司法書士が本人を代理して行えます。
また、わが国への帰化の許可申請のための書類の作成や、戸籍が誤っている場合の戸籍訂正の申立書の作成も、司法書士はすることができます。

◆検察庁への告訴・告発

 犯罪があった場合、被害者は犯罪事実を検察庁に告訴できますし、被害者以外の者でもその事実を告発できます。
この告訴状や告発状も司法書士が作成できるのです。

 以上の6種類の業務を行えるわけですが、さらに、これらの業務に関する相談や、不動産の売買での立会いも司法書士の仕事です。
かくして、司法書士は、「登記、供託及び訴訟などに関する手続の円滑な実施に資し、もって国民の権利の保全に寄与」(司法書士法1条)していることになります。

**超高齢社会に向けて、そのニーズは高まるばかり**

わが国の高齢化の特徴としては、

  1. 高齢化の進展が1970年代以降と比較的最近であること。
  2. 高齢化のスピードが世界で最も早く、2010年(平成22年)頃には世界一の高齢率(65歳以上の人口の割合)となること。
  3. 後期高齢者の増加が著しいことがあげられる。
そして、現在、日本は既に高齢社会に到達しており、2015年には超高齢社会に突入、実に4人に1人が高齢者であるという時代がやってくるといわれている。
 このような高齢社会において、今日、様々な問題が出現してきている。
 昭和56年から60年にかけ、大きな社会問題となった「豊田商事」のような事件においても、現物まがい商法として既に多数の報道がなされてきたにも関わらず、一人暮らしでそうした情報から隔絶されていたり、あるいは痴呆症等のため判断能力が衰えていたため被害にあった高齢者が多くいた。
そしてその後も、原野商法、訪問販売、証券取引等をめぐり高齢者の被害例が、多数報告されている。

 「こうした高齢者の財産を保護するために、日本の民法には、未成年でない成年者に対する後見制度として、禁治産・準禁治産制度があったが、宣告による戸籍への記載、高額な鑑定費用、さまざまな資格制度の存在等の理由により保護を必要としている者に、その制度の利用をためらわせる結果となっている。
そして、また、制度を利用しようとする者の中には、高齢者が相続を開始することを念頭におき、高齢者を自己に有利に取り込む思惑のもとで禁治産の宣告を申し立てるといったケースさえもあったのである。

 また、制度自体が画一的であり硬直化していたために、心神喪失の状況あるいは心神耗弱の程度には至らないが、判断能力が通常の人より不足している人への保護にはまったく役に立っていないという一面もあった。
 このような従前の状況を受け、平成11年12月1日成立した民法の一部を改正する法律を含むいわゆる成年後見関連4法では、高齢社会への対応と障害者福祉の充実のために、本人保護に重点を置いた制度から、自己決定権の尊重、ノーマライゼーション等の新しい理念との調和を旨とした柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度への転換が試みられている。

 この新しい成年後見制度の特徴の第1は、任意後見制度の導入である。この制度の採用により、本人が判断力が衰える前に、事前に契約によって後見人を選任することができるようになり、本人の財産管理や身上監護といった法律行為に関する希望は、事前に自ら指示しておくことにより、最大限かなえられることとなった。
また、この制度では、解約締結時に公正証から指摘されていた後見人の権限濫用の危険がある程度解消されることが期待される。

 特徴の第2は、法定後見制度における補助類型の採用である。
従来の禁治産制度と準禁治産制度は、新法ではそれぞれ後見、補佐の類型に変更されることとなったが、これに加え、軽度の精神上の障害を持つ方を対象とした補助類型が新設されたことにより、従来保護の対象とはされなかった軽度の痴呆の高齢者等もその保護を受けることが可能となった。

 また、特徴の第3は、本人の心身の状態及び生活の状況に配慮すべき義務が明定されたこと、法人の後見人や複数の後見人が選べるよう明文化されたことなど後見制度全般においてその充実がはかられたことである。
 そのほか、今回の成年後見関連法では、従来の戸籍に代わる新しい公示・登録制度としての成年後見登録制度が導入されている。
 その制度を支える社会的な基盤がなければ画竜店晴を欠くこととなる。
新しい利用しやすい制度として設計された成年後見制度の利用者が、どこに相談し誰に後見事務を依頼すればよいのか、そうした社会資源が必要なのである。

 しかしながら我が国ではまだまだその基盤が脆弱と言わざるをえない。
 そのような状況の中、司法書士による社団法人成年後見センター・リーガルサポートが
平成11年12月に設立され、注目を浴びている。
新法に対応する全国唯一の法律専門家による後見事務を専門とする公益法人として、社会からの期待は大きいのである。